生物学的ストレスとは、何らかの刺激によって生じた生体の歪の状態のことを意味しています。ストレスの原因はストレッサーと呼ばれ、物理的ストレッサー(異物、外傷、高熱、寒冷、騒音、
放射線など)、化学的ストレッサー(飢餓、酸素欠乏、薬物など)、生物的ストレッサー(炎症、
感染)、心理的ストレッサー(怒り、不安、緊張、激しい労働など)に分類されます。
私達は様々なストレスの中で生活をしているのですが、自分のバイオリズムに合った規則正しい生活を基本とし、ストレスとなっている原因を避けたり、気分転換を図るなどストレスを溜め込まないようにすることが大切です。
しかしながら、強いストレスが続くとバランスが崩れ、体調に影響を及ぼします。
昨今では、長引く不況などの影響もあり、うつ病の患者数が100万人を超えたとの報道もありましたが、深刻な状態の人達が増えています。
ストレスを完全に無くすことは出来ませんが、ストレスから守る、体調の歪を悪化させないよう
予防することは可能であると思います。
カリカの学術研究でも、まだ途中ではありますが、うつ病に対するカリカの効果を検証しています。一つは、平成12年、日本薬学会に於いて発表しています。
また、大リーグのイチロー選手の胃潰瘍も心因性のストレスです。現在、胃潰瘍によく効く薬は
あるのですが、再発率50%といわれています。
そこで、今回のカリカの研究では、心因性の胃粘膜障害(胃潰瘍)に対する予防効果を検証しました。11月中旬、その研究結果を米国サンフランシスコで開催された国際学会で発表しました
ので、ご報告致します。
学会名:SFRBM’s 16th Annual Meeting
(第16回 フリーラジカルの生物学と薬の学会)
会 期:2009年11月18日(水)~22日(日)
会 場:Hyatt Regency San Francisco, San Francisco, CA, USA

【和訳】
ラットにおけるストレス誘発急性胃粘膜病変に対するSAIDO-PS501の保護効果
村上真樹1・2、高山房子1、江頭亨1、万倉三正1、今尾充子2、川崎博巳1、岡田茂1、森昭胤1
1.岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
2.株式会社 済度
背景:SAIDO-PS501はパパイアを発酵させて製造される機能性食品で、高いラジカル消去活性と酸化ストレスの関与する疾患への有効性が知られている。酸化ストレスは心因性ストレス誘発の急性胃粘膜病変の病因のキーファクターであると考えられている。本研究はストレス誘発急性
胃粘膜病変に対するSAIDO-PS501の保護効果を検討することを目的とした。
方法:6週齢のWistar系雄性ラットにSAIDO-PS501水溶液または水を2週間経口投与した。そして6時間の水浸拘束ストレスを負荷した。水浸拘束ストレス負荷後、麻酔下にて血液と胃を採取し、酸化ストレスによる胃粘膜傷害と、それに対するSAIDO-PS501の効果を検討した。
結果:水浸拘束ストレスを負荷したラットでは、胃に顕著な線状出血と粘膜病変が起きていた。
水浸拘束ストレスにより、胃粘膜および血漿において著しい脂質過酸化の増大とSOD様活性の低下が認められた。ミエロペルオキシダーゼ活性も有意に増加しており、NF-kBも活性化されていた。SAIDO-PS501投与はこれらの変化を減少した。
【解説】
SAIDO-PS501は未熟成のフィリピン産天然パパイアを発酵・熟成させた機能性食品です。これまでの研究でヒドロキシルラジカルなどのフリーラジカルに対する消去活性を有していることが明らかにされています。また、外傷性てんかん、アルツハイマー型認知症、Ⅳ型アレルギー、非アルコール性脂肪性肝炎など、酸化ストレスが関与する疾患への有効性も報告されています。
・酸化ストレスとは、生体内における酸化と抗酸化の平衡の恒常性が乱れ、酸化に傾いた状態のことを言います。この状態が持続・進行すると、生体内のDNA、タンパク質、脂質などが酸化され、生体にな悪影響を及ぼします。酸化ストレスは様々な疾患や老化などに関与すると考えられており、今回の研究テーマである『ストレス性の急性胃粘膜病変』にも密接に関わっていると言われています。
水浸拘束ストレスとは、ラットを身動きの取れない専用のケージに入れ、首の下ぐらいにまで
水に浸けることにより精神的ストレス(ラットは水が苦手であることや溺れる恐怖を感じるためと
考えられる)を与えることで急性胃粘膜病変を引き起こす実験方法です。これまでの研究で、
水浸拘束ストレスによる急性胃粘膜病変には酸化ストレスが関与していることが報告されて
います。
今回、ラットに水浸拘束ストレスを6時間負荷したところ、胃粘膜に出血や病変部位が観察され、急性胃粘膜病変が起きていました。また、ストレス負荷したラットの胃粘膜と血漿の脂質過酸化や抗酸化能の指標となるSOD様活性を測定したところ、ラットが酸化ストレス状態にあるという
結果が得られました。さらに、好中球浸潤の指標であるミエロペルオキシダーゼ活性の上昇や
NF-kBの核内移行が誘発されていたことから、炎症が惹起されていることもわかりました。
これらの結果から、ラットに6時間の水浸拘束ストレスを負荷することで誘発した急性胃粘膜病変の進展には、酸化ストレスや好中球浸潤などが関与していることが示唆されました。SAIDO-PS501を投与したラットでは胃粘膜病変が抑制されており、酸化ストレス状態や炎症が軽減されていました。このことは、SAIDO-PS501が心因性ストレス誘発の急性胃粘膜病変の予防に有効である可能性を示しており、そのメカニズムにはSAIDO-PS501の抗酸化能と抗炎症効果が関係していることが考えられます。
*正式な研究論文は、学術専門誌掲載後にお知らせします。

会場となったHyatt Regency San Francisco 16th Annual Meetingof the Society for
ロビー Free Radical Biology and Medicine の会場

”抗酸化の父”と言われるパッカー先生と共に いろいろな外国の研究者から質問を
右端が当社研究員 村上真樹 頂きました。

サンフランシスコと言えば 映画『ザ・ロック』『アルカトラズからの脱出』など
”ゴールデンゲートブリッジ” で有名なアルカトラズ島

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